【タイ・ビジネストレンド】小売業②-成長の鈍化

タイでは小売業は経済活動の花形として2007~2012年の間、年率10%以上の成長を遂げてきた…

 

全体としてのタイ小売業は成長が鈍化している

 

2013~2017年までの小売業は全体的に成長はしている物の、小売販売指数の示すところによると、年間成長率は平均3.6%にとどまっている。

 

成長鈍化の要因

 

タイ小売業の成長度合いが鈍化していることについて、要因として挙げられているのが

  • 世界的経済の鈍化
  • タイ国内の政治的不安定さ
  • 農業製品の価格下落
  • 各家庭の負債額の増加

 

となっている。いずれにせよ、

 

タイの小売業界は成長を続けている。

 

特に2017年後半からタイ国内の政治的不安定さが取り除かれ経済状態が上向いたことを消費者信頼度指数からも読み取ることができる。

 

2016年から始まったタイ政府による生活保護支給に関する新制度などの福祉政策も低所得者の消費を後押しする形で小売業の成長に起因する大きな要素となっているとみられている。

 

小売り販売指数と消費者信頼度指数 出典:Bank of Thailand

https://www.bot.or.th/App/BTWS_STAT/statistics/BOTWEBSTAT.aspx?reportID=830&language=eng

 

現在の小売トレンド:小売店店舗の拡大と広範囲化

 

人口密集エリアとなっているバンコクと近郊に小売店の新規建設が進んでいる。

 

各チェーン店は老朽化している店舗も改装し、商品点数の増加、モダンな店舗設計により多くの消費者を引き付けている。

 

小売業主要プレーヤーは全体として2017年には店舗改装、新築に約434億バーツ(1550億円)を投じた。

 

現在バンコクの2017年新規建設小売店売り場総面積は230000㎡にも及び、2016年比3.1%の拡大となっている。

 

バンコク近郊は大型店舗を中心に850000㎡が新しく建設された。

 

バンコクと近郊の小売店数(主要プレイヤーのみ) 出典:それぞれの企業情報、Krungsri Bank

 

 

タイの小売業主要プレーヤー

続いて小売店業種別の主要プレイヤーについて概観してみたい

>>その③へ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。