タイの小売業それぞれの分野、主要プレイヤーに関する分析の続きになります。
スーパーマーケットとコンビニ業界についてです。
スーパーマーケット業界の現状
2017年度には 477 か所だったスーパーマーケットは 204 の新店舗の建設により、2018年度の時点でタイ国内には 501 か所のスーパーマーケットが存在するようになった。
ここでいうスーパーマーケットはハイパーモール以下、日本のスーパーマーケット以上の規模のモールの事で、日本にはないジャンルの小売店ジャンルであり、Costcoのような業務用スーパーが含まれる。
スーパーマーケットの店舗の増加率はデパートメントストア、ハイパーマーケット、コンビニよりも大きくなっている。
タイのスーパーマーケットの対象顧客は中流家庭となっているが、近年のタイ経済状態の回復により各家庭の家計に余裕ができているためにスーパーマーケットでの消費が大きくなっているとみられている。
さらに敷地面積の広さを生かしたスーパーマーケット店舗内で販売されている商品数が拡充し、消費者の興味と購買心理を後押ししている。
近年では店舗形態もコンビニより大きく、従来のスーパーマーケットよりも小さな店舗を建設することによって住宅地への進出も可能となり、店舗内のイートインスペース、宅配サービスを行うことで顧客層を広げている。
小売業の中でも成長率が 6.5% と高く、最も成長が著しい小売業態となっている。
全国展開する主要プレイヤー
- Tops ( 小型店舗 Tops Superstore )
- Gourmet Market ( 小型店舗 Gourmet Go )
- Big C Market
- Tarad Lotus
- Maxvalu
- Foodland
コンビニ業界の現状
タイ国内で成長し続けた 7-Eleven は店舗数が 10,000 を越え「小売業界の新形態」と呼ばれ、注目される。
小売り業大手 Lotus , Big C , Topsもコンビニ型店舗を企画し追従する市場状況となっている。
コンビニが拡大する要因としてガソリン供給企業と提携しガソリンスタンド併設店舗がタイ国中に広がっている。
- PTT – 7-Eleven
- BarnChark – Big C , SPAR
タイ国内のコンビニ店舗は 15,694 店舗(2018年度)となり、2017年より 1142 店舗増加した(7.0%)。その中でも 7-Eleven は一社のみで 720 店舗の増加を果たし一社独走態勢となっている。
7-Eleven の店舗数の多さは日本に次いで2位となっている。
日本と同様に、オンラインマネーの購入、生活費の支払い、カフェなどによって集客が行われている。
一方、特に低所得者~中所得者を対象としたビジネスモデルだけにタイの農業経済指数と連動するとみられており(農業従事者が多いため)、収益面での成長率は以前のような拡大は見られていない。