タイ米の品質の高さを証明するかのようにタイのコメ輸出量は非常に大きい。
普通米(白米)、ジャスミン米、加工米それぞれの輸出状況はどのようになっているのだろうか。
普通米(白米)はコメ産業の主要取引製品
世界的に見ても取引されているコメの55-60%は普通米(白米)となっており、品質や種類によって多く区分されている。
たとえばタイ国内区分では 商務部によるコメ製品規格B.E. 2540が以下のように定められている
- 白米100%…最も高品質。割れや欠けが4%未満と定められている
- グレード2…割れや欠けを起こしているコメが5-7%で混入する
- グレード3…割れや欠けが25-28%の割合で混入している
タイのコメ輸出量の40-45%、量は450-500万㌧/年は普通米となっている。
主な輸出先は、日本、ASEAN諸国とアフリカ諸国となり、日本へは白米100%のみの輸出、一方ASEAN諸国とアフリカ諸国はグレード2、3の輸出が多い。
国際的な普通米(白米)産業の競争が高まっている
コメの生産地としてインド、ベトナム、カンボジア、ミャンマーが主要プレイヤーとして数えられているが、それらは安い人件費でコメの生産が可能なため競争相手として脅威となっている。
現在は品質の面でタイはリードしている物の、世界的に柔らかいコメが流行しており品質改良の競争ともなっている。
タイはタイ米の生産が90%であり、この面で後れを取っていると言わざるを得ない。
カンボジアとベトナムは中国と共同で「5141種」や「Nang Hua種」などの柔らかいコメの開発を進めており、今後タイは製品開発の面で苦戦を強いられることが予想される。
ジャスミン米(ブランド米)の輸出状況
ビジネスYouTubeの極意
タイ国内でもプレミアム米として流通しているジャスミン米の輸出量は全体の13-18%、130-160万㌧となっている。
主要輸出先はアメリカ、中国、香港となり、特にアメリカへの輸出量は全体の35%。
タイはジャスミン米の主要輸出国となっている
タイは世界一のジャスミン米生産、輸出シェアを誇ってきたが近年は国際的な競争の渦に巻き込まれている。
アメリカでもジャスミン米の品種改良、生産が行われ American Jasmine として( Arborio, Black Japonica, Della, Dellrose, Delmont, Jasmati Texmati, Jazzman)などのブランドが 登場。
カンボジアではKDM(Khao Dok Mali)、ST21 と言ったジャスミン米が生産開発されている。
一方で近年の最大の問題は白米の品質向上によって、
ジャスミン米の競合が普通米(白米)になってきている
タイは世界第二位の加工米の輸出国
加工米とは収穫後30-40%の水分を含むように加工されたものや、蒸し加工済みのコメの事で乾燥冷凍され輸出。
世界的にはコメ製品の14-18%が加工米として輸出され、その85%はアフリカか中東へ輸送される。
タイのコメ輸出量の22-27%は加工米としての輸出
近年、加工米の輸出量第一位のインドと第二位のタイはによる競争は継続し、市場の価格下落を招いている。
タイではさらに砕米などの国際取引も行われており、菓子、動物用飼料への加工メーカーへ年間100-150万㌧輸出を行っている。
もち米や玄米の輸出は30万㌧/年と多くはないが引き続き行われている。
タイ国自体、主食として使用するなど大きな消費国となっているためコメの生産は継続して行われ、輸出産業も活発に継続すると見られている。