タイの自動車・バイク部品業界は大局的に見れば成長を続けているが現在までの歩みの中では、その産業に大きな局面があったことも見て取ることができる。
2012~2017年の期間は国内需要が落ち込む反面、自動車・バイク部品の輸出量が継続的に増加するなどの傾向を見せた。
今回はその詳細について振り返ってみたい。
2012~2013年の自動車・バイク部品市場
タイ政府主導の「ファーストカー補助金」制度に後押しされ、タイの2012年の自動車市場は大いに沸き立った。
ファーストカー補助金制度は初めて自動車を購入する消費者に対して最大10万バーツ(約30万円(当時のレート))を政府補助金が援助するものであった。
結果的には政府の予想を超える人数が補助金の申し込みをしたために、補助金の受給は早い者勝ちとなってしまったが大きな反響を得た。
同年には消費者の自家用車に対する需要が刺激され、バイク購入者も増加し自動車・バイク産業は大きな拡大を見た。
自動車・バイク部品産業も2012年には前年比32%の大幅な増加となり、その成長は翌2013年にも7%の増加と継続されることになった。
2014年の自動車・バイク部品市場
2014年から自動車・バイク市場は縮小傾向に向かってしまう。
その要因としては
- ファーストカー補助金の終了
- 洪水をはじめとした自然災害によって農作物の不作が起こる
- タイ国全体の経済成長が鈍化する
- 政情不安定
などを挙げることができる。
縮小の割合は前年比33.7%減、バイク市場の縮小は前年比15.1%減と非常に大きなものだった。
国際的にも金融状況が悪化し、他国の経済状況も芳しくなかったために輸出業も成長が鈍化し結果的には部品産業全体の収益が悪化した。
さらにファーストカー補助金制度によって多くの人が新車を手にしたために、故障も少なく、自動車部品の交換修理需要も少なかった。
2015~2017年の自動車・バイク部品市場
2015年からは自動車・バイク部品産業は徐々に回復してきたが、その背景には新車の消耗品の交換、修理の発生などが増えてきたことを挙げることができる。
特に新車販売から3~5年目にはバッテリー、タイヤなどの消耗品の交換からディーラーの定期点検での部品交換需要が発生する。
2015年の自動車・バイク部品業界の成長度は前年比4.5%となった。
2018年の自動車・バイク部品市場
Sales of motor vehicle industry production index (MPI)によると自動車・バイク部品の製造は2016年よりも6.5%高い割合で行われており、その要因は完成車の製造量が増加したことに関係がある。
一方で部品輸出に関しては成長に陰りが見えているが、最も大きな要因が米中貿易戦争があるという事ができる。