【タイ鉄鋼業】トレンド②-国内需要と輸出入状況

タイの鉄鋼産業の全体図や上流~下流産業に関する概観を見てきました。

 

鉄鋼業のタイ国内の需要と供給、さらには輸出入に関してはどのような情報があるでしょうか。

 

鉄鋼需要の57%は建設業での使用

 

不動産需要の高まりが継続するタイでは建設ラッシュが続き、主に鉄筋としての鉄鋼の需要が大きい。

 

その他にも製造業にはボルト、ナット、リベットなどの留め具、ボディやシャシィなどの自動車やバイクの構造体を製造するためにも鉄鋼がの需要があり、タイ国内鉄鋼需要の18%が自動車産業によるものとなっている。

 

メーカーによる製造拠点となり、輸出国家となったタイでは2013~2018年の間の鉄鋼の平均年間需要は1800万㌧となった。

タイ国内鉄鋼需要(産業別) 参照 : タイ工業省鉄鋼協会

 

タイ国内で生産される鉄鋼の 91% は内需になり、9% が輸出分となる。またタイ国内で製造される鉄鋼製品は建設業で多く使用される長鋼製品が平鋼製品より60:40の割合で多くなっている。

 

  • 建設業で使用…鉄筋
  • 製造業で使用…平鋼

 

平鋼の需要を満たすための高品質鋼の輸入

 

主に外資系からなるタイの製造業は、自動車、バイク、電化製品メーカーが主要なプレーヤーとなっているが、近年の省燃費、安全性ボディ、軽量化に伴い高品質な平鋼の需要が大きくなっており、製造技術のないタイは輸入量を増やしている。

 

実際にタイの鉄鋼の輸出用は製造量全体の10%にも満たない

 

鉄鋼製造のためのコストも原料費 66% ,燃料費 13 % 、人件費 7%ととなっており、原料となる鉄鉱石の採掘がおこなわれていないタイでは、そのほとんどが原材料の輸入費用となっている。

 

現在のタイの鉄鋼製造業者の60%は中小企業となっている。

 

 

次の記事はタイ国内鉄鋼業プレーヤーの詳細に関してです。

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