鉄鋼業界の世界市場と対比することによってタイ国内の鉄鋼市場の特徴と今後の展望について知ることができる。
2018年の世界鉄鋼市場は成長鈍化
主に日中貿易戦争が激化した結果といわれているが、世界規模の鉄鋼の市場は成長割合が鈍化したといわれている。
2018年の世界鉄鋼需要は17億㌧となり、2017年と比較すると3.9%の成長となった。
年間成長率を比較すると2016年からの2017年の成長率は5.0%であり、2018年度の成長割合が鈍化したと結論される。
アメリカの鉄鋼輸入に関税増額
さらに中国との貿易戦争によって、世界的な鉄鋼の製造と需要の拡大の鈍化が始まった。
一方、鉄鋼には各国の①生活インフラの整備②不動産価格の上昇③自動車産業の拡大などの大きな需要が継続している。
鉄鋼の輸出入量に関しては流通量は7200億ドルとなり2017年比8.7%もの増加が見られた。
世界的鉄鋼製造量は増加傾向
世界3大鉄鋼製造国はアメリカ、ドイツ、中国となり全体の製造量の23%となっている。
一方、原材料の価格の上昇に伴って製品の価格上昇を招いている。
タイの鉄鋼業界2018年は輸出量10.3%の増加
2018年にタイ国内の鉄鋼使用量は1750万㌧となり4.8%の成長となった。
不動産開発の激化と基本インフラプロジェクトによって鉄鋼の需要が大きくなっている。
輸出成長は10.3%と大きく成長
輸出量は170万㌧となり特にCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)への輸出が大きくなっている。
輸出用の増加に比例し、タイ国内の鉄鋼生産量も710万㌧となり3.4%の増加となった。
製造量が伸びるものの、国内使用量も前年比6.4%の増加となり国内生産と輸入割合が40:60となった。
タイ国内の鉄鋼価格は7%もの上昇(前年比)
原材料の高騰に伴って国際価格に比例しタイ国内の鉄鋼価格も上昇傾向にある。
sasa